■タレの作り方を調べていく中で タレの作り方をいろいろ調べていると、タレの基本は醤油、みりんそして砂糖ということに落ち着き始めた。
それ以外の材料はこれらの補完物か、タレを持続していく過程で混ざるものであって、この3つさえあれば始められるという考えに至った。もう少し詳しくいうと、砂糖のジャンルでは、ざらめ、赤ざらめ、リンゴ、ミカン類の果汁、あるいは蜂蜜が糖分の補完物としてよく使われる。また、みりんの成分のひとつであるアルコール分を補完するために、日本酒、白ワイン、赤ワインなどの酒類がよく使われているようだ。タレを持続していく過程で混ざるものというのは、付け焼きするときにタレに溶け出す脂や旨味。それを鶏の手羽やガラでスープを取って先に混ぜたりするのだ。
美味いものを作るためには様々な工夫や試行錯誤が重ねられるのは世の常だが、そのバリエーションがあまりにも多いため、最低ラインというか、基本形が見えにくくなることもよくある。このやきとりのタレも名人芸や店の伝統、極意、企業秘密ということばで煙に巻かれて混乱してしまうので、なんとか基本形を探り出したかったし、そのとりあえずの結論にこの三つを選んでみたのだった。
■赤酒に出会った。 そんな作業の中で本や又聞きで気になる材料があった。それが赤酒であった。特に老舗や名店と言われる店でよく聞かれるのだ。周りには誰も知っている者がいなかった。しかしこんな時のインターネット。すると早速出て来た。
これは結構古い酒で、その製法から「灰持酒(あくもちざけ)」とも呼ばれている。もろみを搾る前に「木灰」を入れるのだそうだ。そうすると酸を中和し保存性が高まる。昔の人の知恵だが、大胆だね、ほんと。しかも、しかもですよ、こうすることで独特の芳香を放ち、微アルカリ性に近くなる。ここにひとつのミソがありました。また、糖分やアミノ酸が反応して自然に赤く変色することから「赤酒」と呼ばれるようになったのだそうであります。
■赤酒は九州熊本に 赤酒について調べては驚いていると、傍らにいたデザイナーのGENが「ぼくの田舎ではお屠蘇(とそ)代わりに飲んでましたよ」と気軽に言ってくれるじゃあないか。そういえばGENは熊本の山奥、九州の臍と言われる僻地からノコノコ出てきた自然児だった。そう、赤酒はお屠蘇に使われるほど糖分が強いのだ。
インターネットで最も詳しい赤酒の説明をしてくれているのが、熊本の酒造メーカー1867年(慶応3年)創業の「瑞鷹(ずいよう)株式会社」さんだ。くどくど書くより一見していただくのが一番である。この会社では「東肥赤酒」という銘柄で販売している。
≫http://www.zuiyo.co.jp/akazake/index.html
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