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みんなのやきとりエッセイ
やきとり屋さん訪問 〜上海篇〜
■雅栖透日
やっかいな上海蟹
上海街並み画像
▲上海の街並み
 昨年11月、2週間の予定で中国出張に出た。その時訪れた上海のやきとり屋の話をしようと思う。
 出張の序盤は、一人で上海市郊外の取引工場を走り廻っていた。 中国語が出来ない私は、始めの3日間を工場の日本語通訳の人たちと食事を共にし、メニューはすべてお任せした。時は上海蟹の季節。メニューには必ずこの上海蟹が上った。しかし、あいにく私は蟹を食べるのが下手なので本当は苦痛だった。それに加えて中国の碑酒(ビール)や葡萄酒で乾杯(イッキ飲み)が続くのにも閉口した。私はもともと酒飲みでもないし、まれに飲む事があっても、つまみ(やきとりがメイン)を味わい、楽しみながらの飲み方を好むからだ。でもこれはもっぱら私自身の好みの問題だから致し方ない。


上海飲食事情

 さて3日間の仕事が終了した翌日、日系メーカーとの商談のため上海市内まで移動した。この会社の事務所は、大都会を実感出来る上海市内中心の淮海中路にあり、昨日までいた上海市郊外の田舎とは全く違っていた。近隣には日本料理の店(やきとり屋等を含め)が約400軒近くあると聞いた。幸いにも商談後の雑談中、メーカーのT氏も無類のやきとり好きで、是非今夜はお勧めのやきとり屋にということで意気投合した。
その店の場所は、オークラガーデンホテルの近くで、名前は「焼鳥 福ちゃん」。
「福ちゃん」名刺・表
▲T氏お勧めの店、「焼鳥 福ちゃん」の名刺。
「福ちゃん」名刺・裏
▲こちらは名刺の裏。地図が大変アバウトである…。
 開店後は混んで入れなくなるとのことで、17時頃から小雨降る店の前で待っていると開店が18時とわかり、仕方なく3軒隣にある赤提灯の燈っている「日本料理 和味」という店に入った。ここでは、一人食べ飲み放題138元(約1,800円)。当然やきとりを中心にオーダーした。
T氏は単身赴任のため外食が中心で、今まで行ったいろいろな上海市内の飲食店の話が聞けた。また、上海在住の日本人たちは、出身県別とかいろいな形でのサークルがあり、それぞれ幾つかに参加して頻繁に集り食事会などをしているそうだ。 注文した飲み放題のメニューの中にそのサークル仲間の人の会社が上海で醸造した日本酒があり、普段日本でほとんど日本酒を飲む事のない私も、昨日までの乾杯と違い日本料理を味わいながら中国で日本酒を楽しむことが出来た。
3時間ほどそこで飲み食いしている間にかなり酔いも回ったが、現在の上海バブルが上海万博終了後の2010年には弾けると、上海で働いている日本人たちは考えているなどの貴重な話が聞けた。
 私は勘定の精算を待ち、お礼の後ホテルへ帰るつもりでいたが、T氏はどうしても今夜は、「焼鳥 福ちゃん」に連れて行きたいとのことで、それからお勧めのやきとり屋さんに行くことになった。

店内画像
▲煙の向こうに店長の姿が。
やきとり画像
▲メニューのやきとりを片っ端から注文。
上海のやきとり屋で
 店の中は、日本の駅前のガード下にある焼鳥屋さんをそのまま上海に持ってきた雰囲気。壁は炭の煙で煤けた品書きが貼ってあり、店の奥のカウンター内では、七輪を団扇で扇ぎながらやきとりを焼く店長の姿が煙越しに見えた。
 店長は中国人だが日本語は達者。店員さんたちも皆揃いの作務衣を着ている。 私たちは店内を見回し、迷わず七輪で焼いてるそばのカウンター席に座った。メニューはソフトカードケースに入れており、もちろん日本語で書いてある。どこまでも日本なのだが、ただ価格はさすがに円ではなく元。ここにようやく中国を見つけた。
 メニューのやきとりを片っ端から2本ずつ注文する。今度は私は酎ハイ、T氏はあくまで日本酒で2次会が始まった。
 確かにT氏のお勧めの店だけあって美味しいやきとりだった。先ほどの店で満腹だったのだが、この店のやきとりは別腹が出来るのかすっかり堪能することが出来た。


やきとり屋さんは高級店
 この店の勘定を払って得心したのだが、やきとりは他の料理よりは割高である。だから中国人にとって「やきとりの店」は高級店とも言える。中国人における"やきとり"は、本当は羊の肉である。日本のやきとりより肉は小さく切られ、長い串に刺されている。そしてタレは味が濃く、日本の方が甘め、もちろん羊の串は鶏のやきとりよりずっと格安であることは想像していただけるだろう。

店内はまるで日本である
 店長の後ろには、キープの焼酎の瓶がずらりと並び、客は話し声ですべて日本人と判った。店内の壁には訪れた人の名刺(日本人ばかり)がカードケースに挿し貼りつけてあったので、自分の名刺も入れてもらった。

上海の中の日本
 カウンター席の隣にはどう見ても日本人で関西弁を話すのに、自称フランス人という変な人が現れたりと、店内の雰囲気は本当に楽しく、私の好きな日本のやきとり屋と全く変わらない様相で、店を出る頃には2人とも充分酔ったし、店の外に出るまで上海にいることを完全に忘れてしまう楽しい一時だった。私もいっぺんでこの店のファンになってしまった。
 T氏は、その後もやきとり三昧でいろいろな店を回っているようだ。上海のやきとり情報を教えてくれると約束してくれたので、また一緒出来る機会があれば上海やきとり屋情報をご報告できると思う。

上海夜景画像

▲上海の夜景。美味い料理の後に美しいネオンで気分も最高。
(2005/04/18)


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