焼鳥屋で出会いを求めて、なんてないだろうと思ったら、これが結構あるようなんですね。シングルバーや一昔前のカフェバーじゃあるまいし、と思うんですが。
カウンターの男性が大将に呟く。「向こうの彼女に梅チューハイと皮を差し上げてくれ。カリッと焼いて欲しい」大将は「はい」とうなづいて女性の前に注文の品を出す。女性は男性の方を向いて、微笑みを返す。「ありがとうございました。この皮、とても美味しい。いつもこの店に来てるの」なんて出会いではありません。
今治は結構バツイチというか、離婚した男性、女性が多い。その人たちの話を大将が聞いてあげる。お客さんの方も気軽に「だれかいい人いない」なんて頼むんです。大将の方もカウンター越しにその人柄を見てるから、この人にはあの人が似合うかな、なんて考えている。
ある店で30代後半といった女性が焼鳥屋の大将に冗談ぽく「いい人がいたらもう一度やり直したい。年取ってから寂しいでしょ」。大将、お調子者だから「いい人紹介するよ」というのを見聞。焼鳥屋さんの紹介でつき合いだして、結婚にゴールインした人も知っています。
焼鳥屋さんの紹介だけにおしどり夫婦になるんでしょうね。毎日、軍鶏みたいに喧嘩してちゃ駄目だけど。
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