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やきとりコラム
第2話 ブレイク前夜。パンク芸人「はなわ」
その1
オレはヤキトリが好きだ。いや、強いて言えば焼鳥屋が好きだ。オレの行くお店の多くは、こぢんまりとしたカウンターが中心、仲の良い友とサシで飲むには最高のシチュエイションなのだ。腹を割った話をする時に、お互い向き合っていると、なんだかとっても気恥ずかしいもの。カウンターに肩を並べて何気なく串をつまみながら、酒の力も借りてつっこんだ話をする。オレたちシャイな日本人にもってこいの…そう焼鳥屋は日本人の文化そのものなのだ。

最近、長い苦労の甲斐あって、大ブレイクしたある男のブレイク前夜、そう「佐賀県」デビュー1週間前、小倉北区にある行きつけの焼鳥屋で「はなわ」と飲んだ話をしよう。ベース1本弾き語りで、紅白まで上り詰めたヤツにはオレも感動。ちょうどオレの教え子175Rとも共演という。特に去年の紅白歌合戦が印象に残った事はいうまでもない。

もともと、うちの事務所があるイベントの企画をする際、スタッフが同級生という関係の小倉出身芸人「原口あきまさ」(さんまのモノマネでブレイク)にオファーを出したのが始まりだった。クライアントの予算が合わずNGになりかけた時、マネージャー氏から「キャンペーン中の若手がいる」と紹介を受け、その資料に目を通した時にピンと来た。デビュー予定曲「佐賀県」。メーカーはテイチク。(オレのいたバンド「NEW DOBB」もテイチクだった。)しかもバックのバンドに「CRY'叫」という名があったからだ。佐賀県出身「CRY'叫」はオレたちの長年の友、長崎県出身「横道坊主」の愛弟子バンド。そんなこんなで何かの縁を感じずにはいられなかったのだ。もちろん、オレがベース弾きという共通点もあったしね。
その2
イベントからラジオへ、次々と仕事をこなし、サービス精神旺盛に歌いまくって、爆笑の渦をまき散らしたこの「はなわ」に対し、打ち上げの時には、すでに他人のような気がせず、自然の流れでサシの酒をかわすはこびとなった。とにかく人に対して気を使うヤツで、腰も低く好感の持てる性格に感心させられたものだ。バラ、キモ、トリ皮、ツクネ…ホント気持ちいいくらいによく食べ、よく飲み、よく笑わせてくれる。さすがに芸人だと思った瞬間、オレは確信した。『コイツは売れる』ってね。

ヤツには他の芸人にはない魅力があった。多くの芸人たちにある独特の強引さ、はたまた根の暗さやズルさ、計算高さというものが全く見あたらない、つきぬけた感じがまさにパンクで心地よいのだ。毒舌な歌詞の中にある愛情、そこに人を引きつける力が潜んでいる。ベースはヘタだが天才に違いない。本当にそう思ったものだ。そしてヤツの夢はあこがれの「横道坊主」そして「CRY'叫」と対バンイベントをする事だという。そう聞かされた時、思わずオレは「パンク芸人」という呼称を授けた。こいつは日本の新しいパンクを造ってしまった。そう思えてならなかったのだ。

あれから半年経ってヤツと再会し、少しふっくらとした顔を見た時、オレは思わず『よかったね』と心の中でつぶやいた。問いただしてみるとやっぱり…「おかげさまでやっと毎日、うまい飯が腹いっぱい食えるんです。」だそうな。まったく身体まで正直なヤツである。そして今度は「伝説の男(ビバ・ガッツ)」。まだまだいけるぞ。はなわ!がんばれ!

PS.あの時オレとの約束憶えてるか?オレ、「ぞーさんベースはなわモデル」を作ったら売れるぞって言ったよな。出来たじゃねーか。はなわモデル…。1本くれるって言ったよなぁ…。ふーむ。
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