オレはヤキトリが好きだ。いや、強いて言えば焼鳥屋が好きだ。オレの行くお店の多くは、こぢんまりとしたカウンターが中心、仲の良い友とサシで飲むには最高のシチュエイションなのだ。腹を割った話をする時に、お互い向き合っていると、なんだかとっても気恥ずかしいもの。カウンターに肩を並べて何気なく串をつまみながら、酒の力も借りてつっこんだ話をする。オレたちシャイな日本人にもってこいの…そう焼鳥屋は日本人の文化そのものなのだ。
最近、長い苦労の甲斐あって、大ブレイクしたある男のブレイク前夜、そう「佐賀県」デビュー1週間前、小倉北区にある行きつけの焼鳥屋で「はなわ」と飲んだ話をしよう。ベース1本弾き語りで、紅白まで上り詰めたヤツにはオレも感動。ちょうどオレの教え子175Rとも共演という。特に去年の紅白歌合戦が印象に残った事はいうまでもない。
もともと、うちの事務所があるイベントの企画をする際、スタッフが同級生という関係の小倉出身芸人「原口あきまさ」(さんまのモノマネでブレイク)にオファーを出したのが始まりだった。クライアントの予算が合わずNGになりかけた時、マネージャー氏から「キャンペーン中の若手がいる」と紹介を受け、その資料に目を通した時にピンと来た。デビュー予定曲「佐賀県」。メーカーはテイチク。(オレのいたバンド「NEW
DOBB」もテイチクだった。)しかもバックのバンドに「CRY'叫」という名があったからだ。佐賀県出身「CRY'叫」はオレたちの長年の友、長崎県出身「横道坊主」の愛弟子バンド。そんなこんなで何かの縁を感じずにはいられなかったのだ。もちろん、オレがベース弾きという共通点もあったしね。 |