塩について|焼き鳥と調理技術|焼き鳥の知識&レシピ

焼き鳥の調理技術

第1章 塩の製法

塩田で塩をつくる

 海水から塩を作るには専ら降水量が少なく乾燥した地域が作るのに適しています。塩田を作り、そこに海水を引き、太陽熱と風で水分を蒸発させて塩を作ります。これを天日製塩といいます。 日本ではその環境に近い瀬戸内海沿岸で盛んに作られてきた歴史があります。しかし、元々雨が多く、湿度の高い日本ではこの天日製塩よりも、古来より海水を引いて、それを濃縮し、煮詰めることで作ってきました。この海水を濃縮する方法が、塩浜(揚浜式塩田、入浜式塩田、流下式塩田)やイオン交換膜法です。

「岩塩」から作る

 太古の時代、5億年から200万年前。海の一部が大陸の移動や地殻変動で陸地に閉じ込められ海水の湖となったものが干上がって塩分が結晶化し、その上に土砂が堆積してできたと考えられています。世界にある岩塩の推定埋蔵量は、現在知られているだけでも数千億トンにもなり、岩塩由来の地下かん水も含めると、世界の塩の生産量の約3分の2が岩塩からつくられています。岩塩は重金属を含んでいることがあるため、食用には一旦水に溶かして不純物を取り除き、再結晶させる方法が一般的です。

「地下かん水」から作る

 地下水が岩塩層を溶かし、濃い塩水になったものをいいます。一部は地表から噴出しているものもあり、塩泉と呼ばれています。

第2章 料理の中の塩の使い方

振り塩

 材料に直接塩を振りかける方法です。野菜から水分を引き出したり、魚の塩焼きの際に使います。 魚に振り塩をする時には、ザルなどの水分が落ちるものに魚を並べ、まんべんなく振ると、余分な水分が抜けて生臭さも減少します。塩の振り加減によって薄塩(甘塩)、強塩のように言い分け、白身魚や切身などには薄塩、青魚や身の厚いものには強塩にします。

化粧塩

 かざり塩ともいいます。 魚を焼く直前に、粒が残るように振り塩してから強火で焼くと塩がきれいに白くうかびます。表面が塩で覆われるため、魚の皮が焦げにくく、味や香りも良くなります。

ひれ塩

 化粧塩の一種ですが、魚を丸焼きにする時に、焦げやすいひれや尾を守るために厚く塩をつける方法です。

塩じめ

 生の魚に塩を振り、脱水させて身を引き締め生臭さをぬく方法です。

紙塩

 水にぬらした和紙に目的物を包んでその上から振り塩をする方法です。和紙の水分で塩が溶け、直接塩を振ったときよりも均等に塩分が行き渡ります。 食品の中には、塩を直接あてると変色したり堅くなったりするものがあり、そのような材料に直接塩を当てない方法です。

立て塩

 塩を水に溶かして用いる方法です。 通常は海水程度の塩辛さ(3%前後)にし、野菜や果物の色止めや保存(漬物等)に用います。魚介類を洗う時などに用いれば、旨味が逃げず余分な水分も吸いません。特にきす、白魚(しらうお)などの繊細な味のものには効果があり、うっすらと塩味がつき歯触りも良くなります。

酒塩

 酒に少量の塩をあわせて使用します。魚やエビなどの下味つけに使えば、素材の持ち味が生かされます。